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抹香臭い

もう彼岸も近くなっているのに、まだまだ暑い中、旺盛に伸びる庭の草と柴を刈り込みました。今回の目玉は放置気味だった家の裏の斜面上部と、その付近に生えているシキミの伐採。

 

シキミはよく仏花として切り枝が売られていますが、実は日本の自生植物の中で唯一劇物に指定されているほどの猛毒。葉・実・花に至る全草が有毒です。実は、八角(スターアニス)に似ており、実は春に引っ越してきたときに枝になっているのを見つけて喜んで口にしていました、、、、あぶねー。舌に広がる妙な痺れに恐れをなして、すぐに吐き出したので良かったですが、正体を知った今では本当に危機一髪でした。

 来春からヤギが周囲の草刈りをしてくれる予定なのですが、さすがにこの木は残せないので、少しずつ刈り込んで木を弱らせていくのです。

 さて、こんな猛毒がなぜ仏花となっているかというと、シキミを燃やすと死体のにおいを打つ消すほどの香りがするとの情報。抹香臭いという言葉がありますが、今ではシキミの香りを指すそうです。

 そこで早速実験、、、。

 刈ったシキミの枝を数日乾燥させて、ドラム缶焼却炉で燃やすと、、、乾燥が足りなかったせいか煙がもうもうと。

 香りはというと、時々アニスの香りがします。実の形も似ていますが、香りも似ているということだろうなと妙に納得。そういえば、そもそも大航海時代にヨーロッパ人がスパイスを求めた理由も、悪くなった肉の臭みを消すことだったなぁと思い出しました。

 

 そうそう、マッコウと言えば、だれもが思い出すマッコウクジラ。こちらも漢字では抹香鯨です。クジラの腸内で生成される結石が龍涎香という香料であったことに由来する命名です。