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入居者来る!

冬の寒い間、お客様にご用意する食事は鍋が多かったのだけど、少し春めいて来たので一汁三菜を基本に考えている。その分メニューを考えるのが大変だけど、喜んでくださるお客様の笑顔がうれしい。この前のお客様には呉汁、鯛のサラダ、たけのこご飯、タラの芽のてんぷら等々と、冬と春の走りの両方を料理で表現してみた。いや、このあたりで取れる旬の食材を使ったら、自然とそうなるのだけど。

そんな食事を取っているにも関わらず、季節は急に夏に向かって走っているようだ。この室原の集落でも日中は25度近くなり、草、虫、蛙がいきなり元気に姿を見せ始めた。ボーっと引きずっていた冬の感覚を脱ぎ捨てて、毎日土にまみれています。そんな中での来客。ツバメ二羽。この家に移り住んできたときには、ツバメの巣の痕跡が多数残されていたにも関わらず、去年は誰も営巣しなかったのだけど、今年はこのご夫婦が新居を軒先に作り始めた。ツバメは人の気配が好きとのことなので、この家にもわれわれの気が満ちてきたということだろう。しかし巣ができるまでの間、彼らはどこで寝泊りしているのかなぁ、、、、?

さて、去年の作付けはコメ以外は目立った収穫は上げられなかったのですが、今年は土壌診断もしつつ、さまざまな比較実験をしながら栽培技術を確立したいと思っています。

実験その1は、耕土層の拡大のための技法。

多くの農耕地は、トラクタやその他の大型機械耕運により地中10-50cmに硬い耕盤層というのができていて、そこより下に作物が根を張れず、生育が阻害されるという現状がある。まぁ、実際には30cm程度の耕土層があれば十分らしいのだが、柔らかい土は多ければ多いほど良い。 世の中にはその固い層を取り出して煮出した液由来の微生物を培養して希釈して撒くと耕盤が抜ける(柔らかくなる)などの、聞くとエーって疑問に思うような技法も出回っている。

以前、このコーナーで触れた有機栽培のセミナーで、酵母を使う技法が紹介された。固い土に酵母と糖類を染み込ませ、その中でアルコール発酵をさせると発生する炭酸ガスで土がもろくなるという原理だ。その後、講師の方の書かれた書物で詳細を読むと、堆肥(酵母などの微生物と糖類の混合物)を漉き込むという技法だったのだが、セミナーでそこまで詳しく語られなかったので、即物的に酵母と廃蜜糖の混合溶液を撒いてみようと思いついた。今耕しているトマトの畝のうち、10畝を実験圃場として、1)コントロール(比較対象)、2)黒マルチのみ、3)混合溶液散布のみ、4)混合溶液散布の後黒マルチ、5)混合溶液散布の後、落ち葉を敷いてその後黒マルチ の5条件の比較実験をしてみたいと準備中。本来であれば、10畝をランダムに選定して条件を適用したほうがいいのだが、サンプル数も少ないのと、作業効率の観点から、端から順に2畝ずつそれぞれの条件を適用する。 今のところ、耕土層の深さはいずれも25-30cm。 軟らかな土の層がどれだけ増えるか、また、それぞれでのトマトの生育は? 結果は9月頃発表!(かな?)

No. 耕土層の深さ 条件
5点の計測 平均
1 31 25 26 25 25 26.4 コントロール
2 20 26 22 26 32 25.2
3 33 26 27 24 25 27.0 黒マルチのみ 
4 23 27 26 28 30 26.8
5 28 27 28 27 26

27.2

酵母溶液のみ
6 27 25 28 27 26 26.6
7 28 30 30

27

28 28.6 酵母+黒マルチ
8 25

25

25 25 34

26.8

9 28 30 27 26 23 26.8 酵母+落ち葉+黒マルチ
10 26 32 29 28

28

28.6