日中はいまだに暑いが、朝夕はめっきり冷え込むようになり、少しずつ秋、そしてその先の冬の足音が聞こえてきた。ヤギたちも冬への準備か、草の葉よりも穂先の実を好んで食べるようになった気がする。山の木々はまだ色づかないけれども、様々なものをもたらしてくれる。
写真はアケビ。これまで読んだ食のエッセイにも多く取り上げられている山の幸でいつかお目にかかりたい(口にしたい)と切望していたものだ。ご近所からいただきました。その形は不格好ながらも、不思議な色合いで、単体で絵になる。果肉の味は、、、先行知識で評価が高すぎたせいか、さほどの感動を覚えなかったことが残念だけど、すっきりと甘い。食感はねっとり。そして皮はほろ苦く炒め物によく合う。最近来訪された岡山出身のお客様にお出ししたら、その方はアケビの皮も食べられることをご存じなかったとのことで、えらく好評だった。
そのお返しというわけではないだろうが、次の日の朝、お客様が散歩途中に見つけた近くの林から蔦を取ってきて、玄関に飾りを作ってくださった。蔦の正体は、サルトリイバラ。これまでも葉っぱはヤギ達が好んで食べるのでその存在は知っていたが、ひと工夫でこんなシックなオーナメントになるなんて、、、。
以来、家に飾れるものを探すようになり、山には宝が埋もれているのだなぁと実感。日々が豊かになるちょっとした気づきを頂けることも少なくないので、お客様をお招きすることが楽しみになる。
山々の実りに負けじと、田には収穫時期を迎えたコメ。頭を垂れる稲穂に合わせ、我々も腰を曲げて稲刈り。今後一年の食糧を刈り取っていく。稲は日本の文化に深く根付いており、コメのみならず、ぬか、もみ、そしてわらも生活の様々な場面で活用されている。わらを綯って縄にしたり、しめ飾りを作ったり、、、。来る地域の秋の大祭に向けて、これまで長老の一人が担ってきた注連縄(しめなわ)づくりをみんなで習った。今年の冬は、わらを綯って、正月飾りやわらじを編んでみようかなぁ。ご関心のある方は、是非ご一緒に。方法論は教えられるので、一緒に実践して上達しましょう(笑)。